奥大日岳 2,606m ~ 剱御前小屋 立山周回1日目 (富山県上市町)/ 単独


チングルマと剱岳 (奥大日岳稜線にて)

室堂 7:40 - 浄土沢 8:30 - 新室堂乗越 8:50 - 奥大日岳 9:55~10:10 - 新室堂乗越 11:20 - 別山乗越 12:50(剱御前小屋泊)


9月最後の連休、週末に寒気が入り込んで立山では初雪が降ったので、紅葉が一気に進んだのではと期待が膨らむ。そして、連休初日は寒気の影響が残るが、二日目以降は晴天が期待できそうだった。

最初は、テント泊で紅葉の立山を楽しもうと思っていたが、寒気が思ったより強かったのであっさり予定を変更。剱岳の展望も楽しめる剱御前小屋泊の山行にした。

 

今回は、これまで歩いたことのない大走りと浄土沢から一ノ越へ抜ける道を歩いてみたかった。でも、それだけなら日帰りコースなので、初日は奥大日岳に登り、翌日、真砂岳から大走りを下って浄土沢から一ノ越に登り返し、浄土山を回って室堂に下山することにした。

 

24日 - 初日

この連休中、ケーブルカーは6時から早朝運転している。6時半のケーブルカーに乗ることができて、8時前には室堂に着いた。

室堂は雲ひとつない快晴で、かなり冷え込んでいる。昨日降った雪がところどころに残り、水溜りには氷が張っていた。みくりが池を回りこんで雷鳥荘前から浄土沢へ下る。雷鳥沢の野営場には、結構な数のテントがあったが、昨夜は相当冷え込んだことだろう。

浄土沢を渡り、新室堂乗越へ向かう木道に入ると、チングルマやクロマメはわずかに色づき始めていたが、ナナカマドはまだ緑のままだった。新室堂乗越から奥大日岳までは、見晴らしの良い稜線歩きとなる。奥大日岳に近づくに従って、右手に剱岳が姿を表わしてくる。左手には称名谷を挟んで天狗平と弥陀ヶ原、そしてその向こうに薬師岳や黒部五郎岳などの黒部源流の峰々が見渡せる。

ほぼ2時間で奥大日岳に到着。今日は、剱岳はもちろん、槍・穂高や乗鞍まで見えている。

 

どれだけ見ていても飽きることが無いすばらしい展望だけど、剱御前小屋に向かうため山頂を後にする。

新室堂乗越まで戻って、そこから今度は別山乗越へ登り返す。こちらのルートは、雷鳥坂と違って歩く人も少なく静かだ。まだ昼前、時間はたっぷりあるので、のんびりと登ることにしてルートの中ほどで昼食にする。今日は、インスタントラーメンと塩むすび。日帰りのときは、昼は行動食で済ませることが多いが、今日は景色を楽しみながら、暖かいラーメンをいただいた。

13時前に剱御前小屋が建つ別山乗越に到着。このまま明日のルートを歩いても日帰りできそうな時間だけど、今日は宿泊の手続きをする。

一旦部屋に入って荷物を置き、カメラだけを持って御前山へ向かう。・・・おっと、その前に剱岳を見ながらビールで乾杯だ。

御前山はなだらかな山容で剱岳の展望が素晴らしいが、縦走路から離れているので、ここに登る人はほとんどが小屋泊まりの人だ。東大谷側から稜線を吹き抜けていく風は冷たく、写真を撮るためにじっとしていると寒いので、今度は別山に移動することにした。

別山は、御前山と違って立山からの縦走路なので大勢の登山者がいて賑やかだ。別山の頂は、稜線を越える風がうまい具合に無風地帯を作っていて暖かかった。そのまま北峰まで行き、そこでしばらくの間、剱岳や後立山連峰の眺めを楽しんだ。

別山から見る剱岳は、奥大日岳から見る端正な姿とは一味ちがう風格を感じる。今日は、後立山の峰々も朝日岳から針ノ木、蓮華まできれいに見えていて、針ノ木岳の向こうには富士山も見ることができた。

やや日が傾き始めた午後3時過ぎ、小屋に戻ってみると小屋の前の広場は、剱岳方面から下山する人やこれから剱沢に向かう人、雄山方面から縦走して来た人に雷鳥沢から登ってきた人が交差して、お祭りのような賑やかさになっていた。小屋の中も、宿泊手続きをする人で少し混雑し始めていた。

この日は、定員10人の部屋に9人が割り当てられた。予約したときより宿泊者は増えたようだが、混雑というほどではない。

夕食を済ませると、外ではちょうど夕焼けが始まるころだった。カメラと三脚を持って御前山に登り、夕日の中の剱岳や雄山を写真に納めることができた。

 

暗くなって、星空の写真を撮ろうと外に出てみた。ダウンジャケットを着込んでいても風の冷たさが身に沁みるが、南天には夏の天の川とさそり座が夏の名残をとどめている。天の川はそのまま天頂に続き、はくちょう座を越えてカシオペア座、ペルセウス座へとつながっているのが分かる。

こんなにきれいな星空を見たのは、何年ぶりだろうか・・・さすがに標高3000m近い山の上では、星が近く感じれらる。

 

写真のほうは、長年のブランクと貧弱な三脚、そしてウデの悪さのせいでピンボケとブレの酷い写真しか撮れなかった。今度は、重くてもしっかりした三脚を持ってこなくては。



やまねこN

棲息地:富山県黒部市

分類:♂

種別:中高年登山者

特徴:単独で山にいることが多い。

[行動範囲]

富山県東部と北アルプス北部を中心に、冬は低山、春から秋にかけては高山地帯に出没する。

まれに、北アルプス南部やもうちょっと遠い山域にも出没する。ランニングや自転車でそこらへんを駆け回っていることも多い。

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