薬師平付近から薬師岳東南尾根を見上げる(下山時に撮影)
折立 5:00 - 三角点 6:10 - 太郎平小屋 8:00 - 薬師岳 10:20~10:40 - 太郎平小屋 13:35 - 三角点 14:50 - 折立 15:35
夏の休暇はテント泊山行にしようと思っていたが、不安定な天気が続くので計画を変更、日帰りで薬師岳に登ることにした。コースタイムは13時間、標高差約1,500mと結構きついコースだ。8月4日の大日三山縦走では脚力に不安を感じたので、折立に前泊して早朝から歩き始めることにした。
5時に行動開始。空は晴れているが、稜線は雲に覆われているようだ。
登山道は、三角点のある1,87m標高点まで、標高差500mの急登で始まる。3年前に、雲ノ平山行でテレマーカーMさんとここを登った時、僕は原因不明の体重減と体力不足で、この坂を息を切らせながら登った。しかし、今日は息も切れずに良いペースで登っていける。
三角点には、コースタイムよりも早く到着した。ここで展望が開けるが、稜線は灰色の雲に覆われていた。テンションの下がる光景だが、昼頃には晴れ間が広がってくるという天気予報に期待して先へ進む。
森林限界を抜けて見通しの良い尾根道になったが、稜線を覆う雲のせいで日が射さず、暑さを感じることは無い。おかげさまで、太郎平まで4時間のコースタイムを3時間で登りきった。
太郎平小屋から薬師峠へ一旦下り、薬師岳に向かって登りが始まる。薬師平を過ぎると雲の中に入り、視界が閉ざされてしまう。冷たい風が稜線を吹き抜け、濃密なガスが眼鏡や髪の毛に結露して水滴が滴り落ちる。
薬師岳山荘を過ぎると、避難小屋跡のピークまで、ガラ場の急斜面をジグザグに登る。ガスの中で先が見えないので、どれだけ登ったのか検討がつかず苦しい区間だ。
避難小屋跡を過ぎると稜線の西側斜面をトラバース気味に歩いき、薬師岳山頂に到着する。
山頂にはテン泊縦走装備の若者グループと単独行者が2名、祠の陰で風を避けながら休憩していた。晴れていれば眼下に金作谷カールが見られるはずだが、今日は10m先を見通すのがやっと。展望の無い山頂では写真も撮れず、早々に下山を開始する。
薬師岳山荘付近まで降りてきたとき、一時的に雲が晴れ、青空が広がる夏山らしい景観を見せてくれた。しかし、それも長続きはせず、稜線は再び雲に覆われた。
太郎平から折立への下りは雲の下に出るが、稜線の雲は消えることはなく、薬師岳の姿を見ることはできなかった。