東一ノ越から見た龍王岳の稜線
室堂 9:40 - 一ノ越 10:45 - 東一ノ越 11:45~12:30 - 一ノ越 14:00 - 室堂 15:00
秋空が広がる絶好の登山日和になった3連休の最終日、家内と二人で紅葉が見頃となっている立山に出かけた。
立山の紅葉と言えば弥陀ヶ原だが、混雑は避けられないので、訪れる人が少ない東一ノ越へ行ってみることにした。
室堂は、一面の枯草色に変わり、その中にハイマツの緑とナナカマドの赤、そしてミネカエデの黄色が点々とちりばめられている。みくりが池の向こうに、地獄谷の噴気が盛んに舞い上がっているのが見える。さらにその向こうには、紅葉をまとった大日三山が雲海の上にどっしりとした稜線を横たえている。見慣れた風景だけど、今年は紅葉の彩りが一段と鮮やかだ。
室堂から一ノ越までは、雄山を目指す大勢の登山者と一緒に歩く。一ノ越で雄山へ向かう登山者の列と分かれて、東一ノ越に向かう登山道に入ると、登山者の姿が一気に少なくなって静かになる。御山谷のカールとそれを取り囲む龍王岳をはじめとする岩峰は、立山の室堂側とはまた違った景観を見せてくれる。龍王岳東稜は鋭角に天を突き、それに連なる鬼岳と獅子岳が青空をバックに灰色の岩峰を連ね、それぞれが鋭い岩稜を足下の御山谷カールに溶け込ませている。
東一ノ越では、十数名の登山者が景色を楽しんでいた。眼下に鮮やかに色づき始めたタンボ平が広がり、タンボ沢が落ち込む先には黒部ダムのエメラルドグリーンの湖水が見える。その後ろに針ノ木岳から鹿島槍に続く後立山の稜線が屏風のように連なり、黒部の谷の深さを際立たせている。
振り返れば竜王岳から獅子岳へ連なる稜線が、山腹を紅葉に彩られて見事な景観を作り出していて、ここ数年で最高の紅葉を堪能した。